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江口商店

「私は1日2回市場に通うんですよ!」
 ご主人に先立たれてから四半世紀、女手一つで仕入れと納め物、小売りまでこなす店主の江口純子さんは小さな身体だが、半世紀近く青果業に携わりながら、「本当に風邪以外は病気一つしたことがないのよ!」と笑う。

朝は4時半に起床し、当日の納め物の納品書など書類を準備することから一日が始まる。5時半ころ東開町の市場目がけて車で出発。朝7時からの市場の競りに参加し、仕入れを終えたあと原良町の自宅へ戻り、納め物の仕分けを終え、病院などへの納品に向かう。

朝の納品を終えて下伊敷の店に着くのが9時頃。店を開けた後、学校などに納めるバナナを一本一本、切り離す下作業を終え、学校などへの納め物を済ませ、再び中央卸売市場に出向き、組合の事務所で代払いの清算をし、午後早い時間に店に舞い戻って小売りや納め物の注文を受ける毎日。

夜は9時頃まで商い、自宅に帰って寝るのが夜中の12時ころとのこと。

睡眠不足を補う仮眠は一体どこで取るのかと問えば、「お店に座ったまま、寝てることが多いですね。馴染みのお客さんが買物に来て起こしてくれますよ!」と笑う店主の純子さん。

年中休みなしで、日曜日も病院への納めなどで半ドンのことが多いとか。かなりなハードワークでも病気一つしないというから筆者も驚かされる。

「25年くらい前、夫が働き盛りのころクモ膜下で倒れたあと、途方に暮れましたが、組合の方々に手を差し伸べていただき、何とか女手一つでやってこられました。納め物先のお客様も私を見放さずご注文を継続していただき、市場では青年部の組合員さんほか皆さんに何かとお世話いただき、本当に感謝、感謝の毎日でやってきました!」と店主純子さんは語る。

ご主人が52歳のとき病気で倒れ、他界されたときの模様を語る純子さん、曰く「ほんとに不思議なことがおきたんですよ。クモ膜下で倒れ意識不明だった夫が1回だけパッと目を覚まし、看病してくれていた私の父に何事もなかったようにしゃべり始めました。