鹿児島市呉服町にある果物専門店・くだものの店カコイは、創業90年を誇る高級果物店の老舗。

くだものの店カコイは、贈答品を主に販売する高級果物専門店として、創業者の祖父・栫井政雄さん、2代目の父・義弘さん、3代目の栫井健一郎代表取締役と、その暖簾が引き継がれています。
くだものの店カコイの果物専門店としてのこだわりは、「お客様のお気持ちを先様に伝えるという意味で、一番いい品、間違いのない品をお客様に提供する」こと。
贈答品として商品に不満足な点が生じたときは、贈り主と贈られる側の両方のお客様に迷惑がかかり、「お客様にご迷惑をおかけしない、一番いい品、間違いのない品」という気持ちを果物に乗せて、日々の商いに取り組んでいるとのこと。
年間の売上構成は、小売8割、冠婚葬祭時などの納め物2割。小売の内訳は、圧倒的に贈答品とのことで、正月3日間とお盆2日間の休み以外、お店は朝9時半から夜7時半まで年中オープン。従業員の方のみ、週休を取る体制。
栫井健一郎代表取締役取締役は、天文館中央地区商店街の一リーダーとして、くだものの店カコイのほぼ無休営業のみならず、分散化した天文館の再活性化策や今では一軒も見当たらない映画館の集客エンジンとしての設立協議などに、全11商店街(ウィ・ラブ・天文館協議会)と連携して積極的に参加。
昭和10年ころ創業した祖父・政雄さんは、近くの広馬場や桜島市場だけではなく、天文館から10キロ・20キロ遠方の谷山・伊集院の農家までリヤカーを引っ張り、紐で縛った果物を背中にまで背負い、一番いい果物・間違いのない果物を仕入れたとのこと。
祖父・政雄さんのころの厳しさや、柔和な顔とは違って「自らに厳しく曲がったことが嫌いで、お客様からの信頼と信用という大きな財産をいただいてきた」義弘社長のお店の経営に対する厳しさを、日々我武者羅に学びつつある健一郎代表取締役。
贈答品を注文されるお客様も、店頭で果物を見定める方より、永年のくだものの店カコイへの信頼をもとに、品物も見ず電話のみで注文される方のほうが多いとか。
青果食品協同組合の青年部部長を務める健一郎代表取締役は、他県の組合の青年部と企画したイベントや勉強会など数多く催し、同業組合仲間の新しい生き方、斬新な営業展開に取り組み中。
健一郎代表取締役は、「祖父から築いてきた鹿児島一の果物贈答品の暖簾を守りつつ、ますます目が厳しくなるお客様の期待に応えられるように、贈答する方、贈答される先様の両方の方に、本当に喜んでいただける品揃えをしていきたい」と話していました。