「おかげさまで年々、生活協同組合コープかごしまへの加入者数が増えており、今年は5000人増の計27万人の組合員規模となりました!」
そう語るのが、生活協同組合コープかごしまの購買事業管掌スタッフ兼広報チームリーダーの野元龍二さん。
生協コープかごしまは、消費者(消費生活協同組合員)が一口1000円以上の出資金を出し合って、全組合員の暮らしを守るため、食料品を中心とした生活必需品の購買・供給から新商品開発、さらに福祉・共済・旅行・文化などのサービスの提供や楽しいイベントなどへの参加など、組合員全員の暮らしのメリットを追求する生協組織。
およそ40年前に、「安い牛乳を子どもたちにたっぷり飲ませたい」という鹿児島のお母さんたちの運動から誕生した「鹿児島市民生協」を前身とする生協コープかごしまは、鹿児島県下に18店舗を展開し、全組合員27万人の出資金がおよそ70億円、一人平均2万6000円から2万7000円くらいの出資金(組合脱退時に全額返金!)を預かる鹿児島最大の生活協同組合で、九州でも2番目の規模に成長。
2020年には鹿児島県民の半数の家族が参加する組織を目標にする生協コープかごしまは、全組合員の為の助け合い組織であるものの、事業の採算も当然重要な訳で、野元リーダー曰く、「リーマンショック以降、組合員さんの財布のヒモは当然固くなっておりまして、全店の利用件数は落ち気味。加えて商品単価も落ちており、事業運営にはますます知恵を絞る必要がありますね」。
青果物一つを取っても、より良いもの、より安全でお得なものを追求する中、『CO・OP ちょっとパック』など少子高齢化に対応した小分け商品の開発や、一点単価を下げる工夫を重ねている模様。
「『美味しいものを少量でいいから!』というお客様と、『とにかく量を多く欲しい!』というお客様との双方のバランスに気を遣いながら、組合員さんに本当に喜んでもらうことを目標に、より良いもの、より安全でお得な商品の品揃えの充実を図っています!」と、野元リーダー。
生協コープかごしまの販売事業は、県本土18店での店舗販売事業と、無店舗事業としての共同購入や個配で運営されており、特に奄美大島事務所などが拠点となって展開する離島での特販事業なども、ますます重要な役割を担っているようだ。
「私どもは商品の安全・安心を守るため、生産過程もチェックする『生協品質』を保ちながら、マーク付のコープ商品や産直品の開発に力を注いでおります。生協コープかごしまの『産直』とは、産地からの直送という一方通行の意味ではなく、『産地直結』つまり、産地の生産者と組合員(消費者)の想いを通わせられるという意味で、商品開発からお互いに相談し、参加する『協同農園』や『生産事業(農業など)』ほか、組合員が直接、生産そのものに参加する取り組みにも挑んでおります」と、野元リーダーは熱っぽく語る。
姶良市の田んぼで、田植えから、かかし作り、刈り取りまで、親子で一貫して米作りを体験するイベントの開催や、鹿児島産の大豆を使ったオリジナル納豆の共同開発と販売など、農業生産への直接参加や地産地消を果敢に実践する生協コープかごしま。
2020年に創立49周年を迎える生協コープかごしまは、来るべき大きな節目「創立50周年」に向けた目標を、現在策定中とのことで、「組合員の暮らしを守り、豊かにしていく!」という基本テーマは今後も変わることなく、いかにして営々とした事業として成り立たせるのかを、27万人の全組合員自信が知恵を絞っている模様。
また、鹿屋農業高校産の牛乳を使ったアイスミルク「のうこうミルクバー」の商品化など、県下の農業高校、水産高校、短大、大学などとの新商品の共同開発にも力を入れる生協コープかごしまは、世代を超えて組合の事業理念を共有し、引き継ぐことにも心を砕いているようだ。
生協コープかごしまは、創立以来掲げてきた「ひとりがみんなのために、みんながひとりのために」「よりよき生活と平和のために」のスローガンを元気に発信し続けながら、鹿児島県民の台所を益々潤してもらいたい青果食品協同組合員です。